ほどほどがちょうどいい
「お前、年頃の娘のくせに可愛げがないな。見目は悪くはないのに、勿体ない」「ちょっと……」「……それより」 露骨に眉を顰めるイヴを、男は赤い目を光らせて面白そうに眺めながら、掴んだ彼女の顎をぐっと上を向かせる。 露になった少女の華奢な首筋に顔を寄せ、その奥に透ける血管を焦がれるように、ふんふんと鼻を鳴らした。「お前……何故こんなに、うまそうな香りがするんだ……?」 そう言った男の舌が、べろりと無遠慮にイヴの...
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