五臓六腑

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『小話集』

小話集『蔦王』のから派生した、小話集。ネタバレを含みます。...

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ドレス

※本編第三章「父と娘」1と2の中間設定「ところで、兄上。コンラートでリヒト殿下と何かありましたか?」「リヒト?」「スミレ曰く、金髪髭男なうちの兄だな」馴染みのレイスウェイク家の食卓を前に、皇帝ルドヴィークは思い出したように兄に問いかけた。「いえ、昨日の夕刻、手紙が届きましてね。久しぶりでしたので驚いたのですが、さらにその内容がどうにも‥‥」「うん?」ルドヴィークも、隣国の王兄リヒト・ウェル・コンラー...

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取引

「ヴィーさん、ヴィーさん、取引しねぇ?」「‥‥いきなりだな、リョウ君。一応、内容を聞こうか」「俺な、菫と保育所から小学校‥‥え~と、歳でいうと零歳から十二歳まで一緒だったのな。だから、ヴィーさんも優斗兄も知らないあいつを、結構知ってるんだ~」「‥‥‥何が、言いたい?」「そんな怖い顔しなさんなって。別に、それを自慢しにきたんじゃねぇから」「それで?」「俺、今日いいもの持ってきたの。“写真”って分かる?」「精...

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プリンセス・パフェ

「くーろーちゃん。あーそーぼ~」「‥‥‥‥‥‥‥‥」「なんだ、いるんじゃん。いるんなら、“いーいーよ~”って返すのが礼儀だよ」「‥‥‥‥残念ながら、就業時間内ですので、お子様の相手はできないのですが」「あ、そう。お子様の相手はしなくてもいいから、おねえちゃまの相手をしなさい」「‥‥‥‥‥‥‥‥」「はいはい、文官の皆様、こんにちは。あ、次官さん、今日も筆圧高くって素敵ね」「‥‥‥‥仕方ありませんね。ああ、もうこんな時間でした...

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節分

「スミレ、兄上から預かりものだぞ」「いらない」「そう言うな。何やら、そなたの国に古くから伝わる風習で、厄よけの意味があるそうではないか」「いいの、ヴィーは何でもかんでも日本の風習に感化されなくても。お兄ちゃんはただの行事好きだから、いちいち付き合わなくてもいいの」「そう言って、そなたが受け取ってくれないと泣きつかれて、あまりに哀れなので受け取ってしまった」「もー」「兄上をあまり邪険にするものではな...

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二月十五日

グラディアトリア四大公爵家の筆頭ともいえる大貴族、シュタイアー公爵家の二人の子息は、共に王城の騎士団に属し、それぞれ第一・第二騎士隊の隊長を務めるエリートである。息子達が自らの努力で着々と出世していく姿を、その父母である公爵夫妻は誇らしく思いながらも、城の寄宿舎に入り浸りでなかなか実家に帰ってこない彼らに、寂しい思いも隠せなかった。男の子供は、大きくなれば忽ち手を離れていってしまって、本当につまら...

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猫的性格

※2月22日、「にゃんにゃんにゃん」の日に因みまして。いつぞや、とある事情で検索して浮かび上がった、「猫的性格」から数個を抜粋。主人公の行動に当て嵌めて小話にしてみました。「ルド~、ルドちゃ~ん。おねえちゃまと遊ぼ~」「なっ‥‥? ス、スミレ!?」「おねえちゃまはお菓子を作ってきましたの。ルドちゃんも欲しい?」「‥‥そ、その呼び方は、やめろ。そもそも、今は執務中だ。お前と遊んでる時間は‥‥」ーーーーー自...

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雛祭り

「遂に来た。待ちに待った、この日が」「なに? おにーちゃん、今日は笑顔が黒いよ」「スミレが悪巧みしている時の笑顔にそっくりだが、残念ながらそなたがしても可愛くはないな」「可愛くなくて、結構! っていうか、あんたが余裕ぶっこいてられるのも、ここまでだぞ!」「おにーちゃん、酔ってんの?」「こんな時間から酔っぱらって、いい身分だな」「俺は酔ってなんかないぞ。けど、この後勝利に酔いしれる準備ならできている...

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朗報

「ねえねえ、相談なんだけどさ。子供の名前、何がいいと思う?」うららかな陽気が睡魔を誘う昼下がり、レイスウェイク家のテラスに集まった皇族ブラザーズを前に、菫はそう唐突に切り出した。「こっーーー? こっこっこっ‥‥!?」ショックのあまり、餌を突つく鶏のような言葉しか出て来ないのは、現在グラディアトリアの最高権力者、皇帝ルドヴィーク。「‥‥‥‥‥そうですねぇ」驚きに一瞬目を見張り、菫のあどけない顔と膨らみのな...

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追伸:蔦姫の罠

『蔦姫の罠』の翌日「お邪魔します、兄上。スミレ、ほら、昨日約束したお菓子。渡し忘れていたので持ってきましたよ」「わ~、クロちゃん、そういうところホント律儀ね。よ~しよしよし、お姉ちゃまがお茶を入れてあげよ」「‥‥‥クロヴィス、そなたも忙しい身であろう。わざわざ菓子の一つ、使いの者に任せればよいものを」「いえ‥‥今回のこと、少々私も考えが足らず、兄上に不快な思いをさせてしまったことが気になっておりました...

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乙女の秘密

「ミリアンちゃん、ミリアンちゃん」「うん? どうしたのスミレ?」「あのね、あのね、おねえちゃまのお願い、聞いてくれる?」 妊娠を期に騎士団を休職中のミリアニスは、実は自宅であるオルセオロ公爵邸がレイスウェイク家に近いこともあり、頻繁に菫を訪ねるようになっていた。 剣を振り回す職業に似合わず、温和で穏やかな性格のミリアニスは、兄ヴィオラントにとっても、愛妻にくっ付けておいて一番安心な人材だったりする...

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続、乙女の秘密

「ジョル兄、ジョル兄」「うん? 何かな、スミレちゃん」 夕刻になると、夜間の衛兵に引き継いで勤務を終えたオルセオロ公爵ジョルトが、身重の妻ミリアニスをレイスウェイク邸に迎えにやってきた。 妻の兄上であり、ほんの二年前まで、剣となり盾となり命を懸けて仕えた先帝閣下に、夫婦共々夕食に誘われたジョルトは、目の前にちょこんと座った少女に微笑みかけた。 この屋敷の待望の女主人であり、敬愛する大公閣下がめろん...

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蔦城攻略(前編)

※蔦王パラレル 背中はふかふかのベッドに沈み込み、素肌は温かな人肌に包まれて、菫はひどく心地よい微睡みの中にいた。 鼻腔を満たすのは、最も身近で最も信頼できる相手の香り。 彼女にとって無二の存在がすぐ側にいる。 ふわふわと夢見心地のまま菫が幸せそうに微笑むと、弧を描いたその唇をしっとりと塞ぐものがあった。「――んっ……ふ」 優しく啄まれるのが心地よくて、そろりと手を伸ばすと、自分の上に覆い被さる大きな...

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蔦城攻略(後編)

「――って、おにーちゃんじゃん」「スミレぇ! 助けに来たぞ!!」 現れたのは、黙っていれば文句無しの美形であるのに、口を開けばシスコン丸出しの残念な男前――菫の実兄優斗であった。「こンの、極悪魔王野郎! うちの妹にいかがわしい真似しやがってっ!!」「……兄上殿の設定は、一体なにかな?」「見て分からんか、“勇者”に決まっとるだろう!」 数々のダンジョンを攻略して、襲い来る魔物をバッタバッタと投げ倒し、魔王に...

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鬼の休息

「――クロちゃん、クロちゃん! 大丈夫!?」「……おや、スミレ?」 グラディアトリアの四大公爵家の一つであるリュネブルク公爵邸は、帝都の南西の位置にあり、かのレイスウェイク大公爵邸から見ると王城を挟んで対角上、最も離れた場所に立っている。 リュネブルク公爵家の現当主は、現皇帝の腹違いの兄にして国家宰相を務めるクロヴィス氏であるが、彼は王城にも部屋を持っているため、私邸に戻るのは月に二,三回程度。 先代...

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正しいうさぎりんごの作り方

小話の小話「ヴィーにも林檎剥いてあげるね」「ん」「うさぎさんにしてあげるね」「うむ」「ん……結構硬い」「手を気をつけなさい」「うん、切れた。これを八等分して~塩水して~」「……」「Vの字に切り目いれて……」「スミレ、そのナイフはそなたの手には大き過ぎて危ない。マーサ、もう少し小振りなものを」「――あ、ありがと、マーサさん。ん、ではVの字にして~」「……」「いらない所の皮むいて~」「親指、気をつけなさい」「残っ...

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正しいうさぎりんごの食べ方

「ルドー。林檎剥いてあげようか?」「……ああ」「うさぎさんにしてあげるね」「うさぎさん?」「あ、いいから、ルドはお仕事してて」「……おい、ナイフあぶない」「大丈夫」「……っ、指っ! 危ないだろ!」「大丈夫だってば」「……っっ! ばかっ、だから親指がっ……!!」「うるさいな~、ルドは。全然大丈夫だってば。――はい、できた」「……はあ……」「何、溜め息吐いてんの? はい、どうぞ食べて」「……確かに、うさぎみたいだな」「...

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わんわんわん

※11月1日犬の日記念わんわんわん「おいでー、クロ」「……」「お手っ、クロ」「……あの」「おかわりっ、クロ」「……スミレ、あのね」「クロ、おすわりっ!」「――失礼、義姉上っ」 この日、いつも多くの仕事を抱えて忙しいグラディアトリアの宰相クロヴィス・オル・リュネブルクは、久しぶりに暇を見つけて兄ヴィオラント・オル・レイスウェイク大公爵の邸宅を訪れた。 玄関前に馬車を停め、レイスウェイク家の侍従長の出迎えを受けた...

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ポッキーの日小話

今日はポッキーの日なのだとか。それを緩く祝うために、いつにも増して緩い突発小話を投下します。いろいろ不親切ですが、行間を読みつつ広い心でご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓「今日は、ポッキーの日なんだって」「ほう」「一本のポッキーを二人でくわえて、それを両端から食べていくのが習わしなんだって」「ふむ」「我々も、やっときますか」「うむ」「――ちょーっと、待て! お前達!」「なに? おにーちゃん。うるさい」「相変わら...

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二月二日は何の日?

「蔦王」・「瑠璃とお菓子」の2カップルコラボ小話。...

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1122小話

11月22日いい夫婦の日に合わせまして、またもや小話を一つ。...

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小話

小説家になろうの活動報告の小話転載です。いつも通りゆるいです。...

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